side 愛音



朝、目が覚めて上体を起こす。



「んー……」



隣でスヤスヤと眠っている真冬の髪をなでた。





基本、女はウザいから嫌い。




勝手に言い寄ってきて、冷たくすると勝手に離れていく。



学校でも勝手にファンクラブだか親衛隊だかなんだか知らねぇけど、そんなのも作られてたりする。



つーか、今時ファンクラブはねぇだろ……。




「南野様ー!!」


「キャー!!今日もカッコイイー!!」





そんなに毎日騒いでよく飽きねぇな。






はっきり言って目障り。




とか、思ってたんだけど。






「ちょっと!人が挨拶してるのに、その態度はないんじゃないの!?」






初めて会うなり、俺に説教してきたアイツ。



他の女みたいに媚を売ってきたりしなかった。





久しぶりに説教なんてされたな……。


基本的にウチの親は自由教育で俺は放ったらかしだしな。




最初は可愛い顔してるけど、気の強い男勝りな女だと思った。




けど、全然そんなことなかった。



俺が顔を近づけただけで顔を真っ赤にして、少し体を寄せただけですっげぇ固まってた。




男には慣れてないんだろうな。




普段は強気なくせに、そうやって女の反応をする時のギャップが気に入った。




からかいがいがあって、面白い。