「愛音、何してるの?」
「仕事。契約してる企業に出す予算結果に目ぇ通してサインしてんだよ」
ん?
企業?予算?
私にはよく分からないけど……そっか、そうだよね。
忘れてたけど、愛音って社長なんだよね。
「まぁ、俺はまだ学生だから、次の仕事だけまとめて、あとは他の奴に任せっぱなしだから。まだそんなに忙しくはないけど」
いやいや、分かってないと思うけどね?
その次の仕事をまとめるだけでも大変だと思うんだけど。
だって、あの南野グループ財閥だよ?
「愛音ってすごいんだ、ね……!?きゃぁあっ!?」
愛音の前のイスに座ろうと、足を一歩前に踏み出したら、裾を踏んでしまい、
バランスを崩してしまった。
ドサッ……。
「あっぶねぇなぁ……」
……へ?
愛音の声にハッとして顔をあげると、そこには困ったような顔をした愛音がいて。
え?え?
もしかして私……愛音に抱きとめられ……!!?
「おい、大丈夫か?」
「ご、ごめん!」
すぐさま愛音から離れた私だけど、心臓がバクバクして落ち着かない。



