side 真冬




「えっと、誕生日は……」




片付けを終えて、私は今愛音と部屋で婚姻届にサイン中。





「おい、ここ記入し忘れてる」



「へ?嘘!ありがとう」





指摘された記入欄に書き込んで、ハンコを押して……。





「できた!」



「明日役所に持って行けばいいんだろ?」



「うん。2人で持って行けって、お義父さんが」



「お義父さん?」



「あ、うん。誠史さんが、これから娘になるんだからそう呼べって……。あと、お祖父様もおじいちゃんって呼ぶようにって」





愛音は「あいつら……」と、呆れたように呟いた。




「いきなりだけど、お前、政略結婚していいの?」



「え?どうして?」



「女って、好きな人じゃないと結婚したくないー、とか、よく言うじゃん」





あー……確かに。





「そうかもねー。でも私そういう可愛い女の子じゃないし。好きな人もいなかったから」






女子高だったし、出会いは全然なかった。


他の子たちは他校に彼氏とか作ってたけど、私は気になる人もいなかったから、政略結婚してもいいかなー、くらいにしか考えてなかった。




それがまさか……。


こんなにイケメンで同い年なんて……。





「スゴく離れた年上の人だったらイヤだったかも」





「よっく言う〜。会った瞬間いきなり怒鳴りつけてきたのはどこのどいつだよ」



「うっ……あれは、愛音が素っ気ない態度するから!」