「ねぇ、この部屋にしきりっていうものはないの?」
「ないね。この家に変な決まりがあるってのは知ってんだろ。
南野家は夫婦円満を重視してるからって、夫婦はお互いの全てをさらけ出すって決まってんだよ。だから親父達の部屋の作りも同じようになってる」
う、嘘……。
「そしたら丸見えじゃない!」
「そうなるな」
イヤー!!
あれ?でも待って?
それだったら、着替える時間をズラせばいいことだよね。
なーんだ。
焦って損したー……。
「あ、言っとくけど、朝着替える時は絶対一緒に着替えなきゃダメっつー決まりがあるから」
え?
「朝だけメイドか執事が監視にくるんだよ。二人が一緒に着替えてるかどうか」
「な、何それーー!!」
ってことは、嫌でも1日に一回は一緒に着替えなきゃいけないの!?
「あのなぁ、この家はそんなんばっかだからな。着替えなんてまだ軽い方だ」
か、軽い?
これが……?
お父さん、お母さん、おばあちゃん、お姉ちゃん達……。
私、この家でうまくやっていけるでしょうか……。
私はしょんぼりと肩を落としたのでした。



