「着替えるか」
愛音はそういうと、奥の部屋に入って行った。
私も荷物片付けなきゃ。
よいしょ、と何とか立ち上がり、私は部屋の隅に置いてあった自分の荷物を取り出した。
片付けるって言っても、どこに置けばいいのかな。
この部屋にはさっき愛音が入って行った部屋と、その隣にある少し大きめのドアの部屋だけ。
荷物は制服と数着の私服だけ。
あとは持ってこなくていいと言われたから、それだけなんだけど……。
私がいるのは高そうなソファとかテーブルとか、大画面のテレビとか。
普通にリビングって感じ。
……しょうがない、聞くしかないか。
私は愛音が着替えに入っていった部屋のドアをノックした。
「あ、愛音?」
「……なに。覗きにきたのか?」
んな!?
「そんなわけないでしょ!荷物なんだけど、私の服はどこに置けばいい?」
すると少ししてからドアが開いて、黒のジャージ姿の愛音が出てきた。
うっわぁ……。
ジャージでもすっごくカッコ良く見える……。
って、ダメだって!
こいつの中身は最悪なんだから!
「お前の服はこっち」
促されるままに部屋に入ると、そこはすごく大きなクローゼットになっていた。
鏡もテーブルもイスもある。
楽屋みたい……。
いや、楽屋よりかなり豪華だな。
「お前のスペースはこっち。あっちは俺」
部屋の右側は愛音の服がびっしり。
私のスペースはその反対側だった。



