グイッと顎を持ち上げられたと思ったら、次の瞬間には目が合っていて……。
私の心臓はさらにドキドキを増して行く。
「は、離してよ」
「俺の名前呼んだらね」
名前!?
「あ、愛音さん?」
「呼び捨てにしろ。さん付けんな」
こ、こんの俺様性悪男っ……!
とりあえず、早くこのドキドキから解放されたい。
このままじゃ、心臓破裂しそう……。
私は意を決して、半ばヤケクソに叫んだ。
「あ……愛音っ!」
もうヤダ。
もうイヤ。
恥ずかしくて死ぬ……っ。
女子高に通っている私は、この2年間と少しで男の免疫をなくしている。
そんな私に、こんなハイレベルな男は無理に決まってる。
「よくできました」
その声と同時に愛音の手が私から離れていく。
た、助かった……。



