Name ~ 名前なんていらない ~











紗結は、平然と席に座っている私を、そして私は、今にも泣き出しそうな紗結をみている。









昨日も、おとといも、同じような光景を目にした。




違うことといえば、紗結が濡れていることぐらいだ。









2週間前のあの日。詩多が、次の日から紗結をいじめると宣言をした。





しかし、次の日、いじめは始まらなかった。





そして、今週から、紗結へのいじめは始まった。







今日でいじめは3日目。






「た…すけて…」





私と視線がぶつかると、紗結は、私に助けを求めてくる。