Name ~ 名前なんていらない ~












6時間目の数学も無事に終わり、放課後。




私は翼咲と、駅前に新しくできた店に行く約束をしていた。





「桜井―っ!早く行こうっ」



「うん!」





翼咲の後を追って、私は走りだした。




階段をおりて、下駄箱に着いた時、聞きなれない声で呼びとめられた。






「あっ!陽茉莉っっ」






うわ…。



紗結…。







「……なに」




私は顔をしかめた。





「相変わらず、いーくんが好きなんだねーっ?紗結、びっくりしちゃった!」



きっと、苡槻の前で様子が変わる私を見て、そう思ったんだろう。


…怖かっただけなんだけど。





「…紗結には関係ないだろ。てかびっくりしたのは私なんだけど。」





紗結は、キョトンとしている。