カラオケを終えた帰り道。





「あぁーっ!つかれたぁー」




翼咲が、両手を上に突き上げた。




「ちょっと、はしゃぎすぎたね…」




「うん。でも桜井が元気になったからよかった」





”桜井”


翼咲には、昨日の苡槻とのことは説明しなかった。




でも、とりあえず”名前”で呼ぶのはやめてほしいと頼んだ。







「珍しく優しいな、翼咲」



「珍しくって…!」




私は翼咲の顔を見た。





「「プッ」」




2人同時に、ふきだした。












「まじ、ありがとね。翼咲」



「うん」



「じゃ、明日ね?」




「うん。」