「んー……昨日1日で、2回失恋したっ」




私は、わざとらしく明るく言った。




「…失恋って…告ったってこと?」


「違う。苡槻には、他に好きな人がいる」





その人、翼咲だよ、なんて口が裂けても言えない…。




「そっか……おつかれ」




そう言って翼咲は私の頭をなでた。




「聞いてくれて、ありがと」



「いえいえ。じゃ…気分転換にカラオケでもいきますかっ?」






翼咲の提案で、私はカラオケに行った。




今までで1番はしゃいだと思う。



そして、昨日の苡槻の言葉を、吹き飛ばすかのように笑った。