「分かるよ。会ったことあるし。……もうすぐ、おれの母さんになる人だから」
母さんになる…?
再婚するってこと…?
「……さっき俺が言ったこと、覚えてる?」
「さっき言ったこと?」
なんだっけ。
思い出せない…―
「”ひまり”が嫌いって」
「ぁあ、うん」
「母さんを、殺した人だから。……憎いんだよ、”ひまり”が。
嫌いなんだ、この世で1番」
苡槻はの声は、とてつもなく恐ろしくて、強かった。
気付けば、手足が恐怖で震えていた。
「殺したいほど、憎いんだ」
”殺したい”
自分のことじゃない、そう言い聞かせても、体の震えは止まらなかった。

