私は、涼が運ばれていった 集中治療室の前で ずっと突っ立っていた。 今何が起こったのか、 もう何もかもが 分からなくなった。 もうほぼ放心状態でいる私に、 涼のお父さんと沙耶、鈴香が 駆け寄ってきた。 「絢香! 大丈夫?」 沙耶のその言葉に、 必死に首を横に振る。 こんな状態の私が、 どうしたら大丈夫と 言えるんだろうか。