お酒を飲んだら眠くなるかも知れない。

そうしたら、このモヤモヤも消えるかも知れない。

「確か、冷蔵庫にまだあったわよね?」

ベッドから抜け出すと、キッチンへと足を向かわせた。

冷蔵庫を開けると、ビールが2本だけ置いてあった。

「えーっ、ビールしか置いてないじゃん…」

私、ビール飲めないのに…。

ビールは上川が好きなお酒だったことを思い出した。

好きでよく飲むから冷蔵庫に常備していたんだっけか。

「もう、どうするのよ…」

かと言って捨てるのはもったいない。

パタンと冷蔵庫のドアを閉めると、私は息を吐いた。