「サンキュ」 奏は穏やかな笑顔で女の子達のチョコを受け取っていく。 え…… なんで…… 女の子達は飛び跳ねて喜んでいる。 だって…… 奏の彼女は私なのに。 「おい、席つけ。授業始めるぞ」 ちょうどその時先生が教室に入ってきて、 全員が自分の席に着いた。 自分の席でも放心状態の私。 もしかして私と付き合うの嫌になっちゃったのかな……。 バレンタインの朝なのに地面に引きずり落としたから? 私が可愛げないから? 授業中、私は涙が出そうになるのを必死に堪えた。