「じゃあ夕飯買ってくるね。
さくらと留守番してて。」


「うん!いってらっしゃい。」

「いってらっしゃい、お母さん!お父さん!」



さくらというのは私の妹。

この春年長さんになった。



車に乗り込むお母さんとお父さんを玄関から手を振って見送った。



しとしとと音を立てて雨が地面を打っている。



「おねぇちゃん。
今日の晩ごはん何かなぁ。」


「さくらの好きな唐揚げかもよ?」


「ホント!?楽しみ~♪」


「ほら、家の中戻ろ?」


「はーい!」





私とさくらは家の中に戻り、
お母さんとお父さんの帰りを待った。



でも、



お母さんもお父さんも



帰ってこなかった。