「どうしたの? 何言われてたの?」 「別に。」 「私のときは素っ気ないなぁ……」 残念そうに車に戻ろうとする栞奈の手を思わず掴んだ。 「え、何……?」 栞奈の顔が少し赤みを帯びる。 森田に会ったときより、少し嬉しそうなのは気のせい……。 「……クリスマス。 休みやるから、どっか行こーぜ。」 「え……クリス……え?」 明らかに動揺している。 「嫌か?」 「う、ううん!行きたいっ 行きたい! ありがとう。すっごい楽しみ!!」 純粋に、素直に、 弾けるような笑顔を浮かべた。