「いいよ。乗れば。」 「えっ」 「やったぁ!」 栞奈は気持ち悪いものでも見るかのように俺を見る。 「なんだよ。喜べよな。さくらみたいに。」 「だって……」 「ほら、遅刻する。行くぞ。」 俺が立ち上がると、 栞奈も朝ごはんの食器とカバンを抱えた。 「ちょっと食堂行ってくるから、 さくら連れて車で待っててもらってもいい?」 「ああ。」 さくらの小さな手を握り、 先に外に出て、 森田が乗っている車に乗り込んだ。