横目で奏のことを睨んでいると、

不意に奏がこっちを見た。



「っ!!!」



目、合っちゃった……。



なんで……

こんなことでこんなに顔熱くなるの!?



「栞奈?どうしたの?」



様子がおかしい私を心配して、優花が私に話しかけた。



「いや、なんでもないよ……」




一昨日なんて、抱きついたり……したのに。


目が合っただけでなんでこんな……。





悶々と考えていると、

「栞奈。」

聞きなれた声が私の名前を呼んだ。




後ろを振り返ると、

さっきまで遠くの方で女の子に囲まれていた奏が目の前にいた。





「そぅ……!いや、七尾くんっ」



な、名前!!

みんなの前で呼んじゃってるよ!!