「はっはっはっ! こりゃ傑作」
突然轟いた大きな笑い声に、私は体をこわばらせた。
目の前には、お腹を抱えて大袈裟に肩を揺らし、笑い転げそうな彼。
「なにも知らずにもうすぐ16歳? 呑気に育ったもんだね。俺の16年間は可哀想だな」
思わず身震いした。
投げやりに言い捨てる彼。
口元は笑っているのに、低く抑えつけられたような声が、冷たく頭に響く。
すると今度は薄笑いとともに、こう囁いたんだ。
「もう、君の友達もお父さんも巻き込んじゃおうか……。そうすれば君だって……」
心臓が止まりそうだった。
気づけば私は右手を振り抜いていた。
はじけ飛ぶ乾いた衝撃音。
薄笑いを浮かべた彼の顔が、スローモーションのように痛みに歪んでいく。
もう、命がけで、呼吸も止めて、精いっぱいだった……。


