*・*・*・*・*

大きく欠伸をして、寝不足の重たい瞼を擦った。

呑気に伸びをしながら眺めた、縁側からの風景。

私は深く息を吸い込んで、自然と微笑んでしまう。

青い草と、あたたかい太陽の香り。

庭のハナミズキは揺れて笑い、緑は宝石みたいに青々と輝いている。

頭上の空は、この村の人みたいに曇りなく笑って澄んでいた。

綺麗過ぎてため息が漏れる。

そして俯いた私は随分と久しぶりにはいたような気がする、制服のプリーツスカートに視線を落とした。

楽しい宴は、終わってしまったんだ。

楽しかったなぁ。

セツ婆がとっくりをいくつも空にして、長老と騒ぎだして、それを見ながらみんなで笑っていた。

人間の世界みたいに豪華なごちそうではなく、質素なものだったけど、みんなでお腹いっぱいになるまで食べて、騒ぎ明かした。