言葉がなくても十分だった。
私は最後の時まで、希望を捨てずにこの村を、この人たちとともに守るんだ。
「今更お主に何ができる?」
そう決意した私の背中に突き刺さる声の矢。
私はもう心をおられはしない。
力強く向き直り、琴弥と対峙する。
すると彼は、薄い唇を三日月形に釣り上げてせせら笑う。
「できることなんてどうせ、仲間とおててつないで、間抜け面で死を待つことくらいだろう? バカでもわかるだろうに、皆で助かろうと本気で思っているなら正気ではないな」
私の拳には勝手に力がこもる。
喉にまで悔しさがわき上がってくる。
「往生際が悪いぞ、罪人ども!」
「あなたに笑う資格はない。私達は何の罪も犯してない」
私は吐き捨てるように言葉をぶつける。
けれど琴弥は打って変わって牙をむき、醜く顔を歪めた。
「罪は、血を汚したことだ。下等な人間と交わった、それが大罪だ!」


