私は自分の袖の中に手を差し入れて鈴を掴む。
そう、神様なんていない。
私は、伝説に語られる姫巫女になりたいとは思わない。
ただひとつ、この人たちとともに肩を並べても恥じないでいられるだけの、勇気が欲しい。
この人たちとまた笑うためだけの、強さが欲しい。
ただ、それだけが欲しい。
私はただ必死に頭を下げた。
頭上でどよめきが起こる。
私はそのまま強く想いを訴える。
「私は母みたいに強くないけど、戦なんて怖いけど、みんなと頑張りたいんです……! 大好きなみんなと、また笑い合いたいんです! だから、最後までこの村を一緒に守らさせてください!」
するとあちこちで苦しげな嗚咽が漏れた。
頭をあげれば、みんなが私のために目尻を光らせていた。
側にいたセツ婆が涙ながらに何度も頷いてくれた。


