「妖力の強さがなんだ? もっと大事なもんがある。ここのっ! ここの強さではお前らなんかに負けやしない!」
力強く立てた親指を胸に叩きつける紫希。
力のなくなっていた手に、新たな力が熱くみなぎってくる。
そのタイミングを見逃さず、全体重をかけて、思いきり押し返した。
ウソみたいに押し出されていく刀。
「はぁぁぁっ!」
ふたりで一緒に振り抜いていく刀。
黒い力の塊はガラスのように音をたてて一気に砕け散る。
私は瞳を輝かせ、紫希と頷き合った。
やったのだ。
打ち勝ったのだ。
琴弥は一歩飛びのいて、後退する。
私たちは隙を見せずに、身を寄せ、刀をふたりでしっかりと刀を握りあった。
さっきよりも開いた間に緊張感が走る。
勢いをなくした烏天狗はもう空にはいなかった。


