「ここは俺に任せろ」

突然どこからか青い狐火が飛ぶ。

電光石火で宙をかける猫が銀色の爪をふるう。

ふたりは群がっていた黒い壁を蹴散らして、紫希の横に着地する。

ここからでもわかるくらい、キラリと笑う、七瀬くんと乱麻くん。

なんで、ふたりまで一緒に……。

私は口をおさえてむせび泣く。

「おい、はやく取り押さえろ!」

「急げ!」

参列者から混乱の声が上がりはじめる。

後列の烏天狗が束になり、3人に向かって襲いかかる。

私は思わず声をあげる。

けれど、ふたりは紫希の前に立ちはだかり、壁を作る。

「はやく行きなよ、姫巫女守護隊隊長さんっ!」

乱麻くんの声が響く。

耳をつんざくような戦いの音が激化する。