私は唇をきゅっと結ぶ。
また、答えてくれなかった……。
すると彼は、壁に突き刺さっている黒い羽根のついた矢を引きぬいたのだ。
彼が掴みとった矢の先には、折り畳まれた紙がくくりつけてある。
「あっ、それ」
私はその紙に手を伸ばしたけれど、彼が急に怒鳴った。
「無暗に触れるな。呪詛がかけられているかもしれないんだぞ」
その声に弾かれて私は慌てて後ずさる。
彼は険しい目をして、丁重に紙をほどいて広げていた。
そうして広げきった紙に、彼は押し黙ったまま視線を落としている。
私は息を殺し、紙をこっそりと覗きこんだ。
そこには筆文字が並んでいる。
“復活の日までに、姫巫女は必ず迎えに行く。 烏天狗総代”
とめはねのはっきりとした、威厳のある文字だった。


