「お前が気にすることはない。遠くからの射撃なら十分よけられる」
彼は包帯を隠すように袖を下ろし、淡々と喋る。
着物姿の時はどこか異世界からやってきた人のように見えたけれど、制服姿の彼は普通の最上級生にしか見えなかった。
「あなたも、ここの生徒だったの……?」
まだ、状況がうまく飲み込めない。
ピンチの時にちょうど私を守ってくれて、驚くこともなく化物と互角に戦って。
そんな不思議な彼が同じ学校の生徒。
いくらなんでも、おかし過ぎる。
頭はどんどん混乱し、私は胸に手を押し当て、切りだした。
「ねえ、教えてよ。なんであなたは、私を守ってくれるの? こんなに危険な思いまでして」
素通しになった窓から、やわらかな風が吹きこんだ。
彼のワイシャツが風で膨らむ。
そして私の方は見ようともせず、風に吹かれた髪が彼の顔を覆い隠していた。


