私は飛ぶように身を起こし大きく息をのむ。

「はやくそやつを連れて、対面させてやれ」

そう呼びかけて、襖の向こう側の闇に、赤い布の端までも消え失せていく彼。

かわって、襖の向こうからたどたどしい足音が聞こえる。

私の心臓は張り裂けるようになり狂う。

その瞬間、黒い襖の端からいよいよ、白い肩が見えた……。