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光が幾度も瞬いた。

やっと瞼をしっかり押し上げると、黒い柱の入ったまっ白な壁がうつる。

左前には銀色の羽の装飾が施されたまっ黒な漆塗りのような襖。

なにも置かれていない畳敷きの広い部屋。

半妖の村の部屋とは違いすぎる。

ここは烏天狗の城?

私はやっぱり誘拐された?

乱麻くんは!?

私は立ち上がろうとするけれど、腕が思うように動かない。

目を見開き、背中を振り返る。

手首が太い縄で何重にも拘束されていた。

「んっ! くっ!」

私は焦って歯を食いしばり、背を預けさせられていた壁に、手首を擦りつける。

でも、びくともしない。

憎らしいくらいしっかりと結ばれている。

「やっとお目覚めだね、囚われの身のお姫様」