今も怖いしやれる気もしない。

でもこんな私だって、先代姫巫女、鈴代涼子の娘。

信じれば、頑張れば、私にだってできるはずだ。

私は自分自身に大きく頷いた。

まずは、念でも送ってみればいいのかな。

力をこめて瞼を閉じしかめっ面をする。

頭の中で最大限にイメージする。

覚醒したあの日のような目もくらむ光。

あれを出すんだ。

烏天狗も追い払ってしまうほどの大きな大きなエネルギー。

顔のパーツがすべてまん中に寄ってしまうほど私は力む。

「村を守れ村を守れ村を守れぇぇぇ! えい!」

私は力いっぱいにそう叫び、希望をこめてパッと目を見開いた。

「あ、れ……?」

鈴はくすみきって無言のままぶら下がり私を嘲笑っている。

見事になんの光も発していない。