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随分と仲間が増えたねと、私は白い花弁を指で撫でた。

天くんからもらった一輪の結い花が活けられた花瓶に、七瀬くんからもらった花を仲間入りさせた。

花瓶はちょっぴり窮屈そうだけれど、花たちは仲良く肩を並べている。

私は、やっと微笑める。

別になにかが解決したわけではないけれど、いい意味で諦めがついたような気がする。

結局私は私でしかない。

そんなのわかっていたことだった。

わかっていて、それでもここへ来た。

今は紫希とあんずさんのことを考えるのはやめよう。

それよりも、今は少しでも自分にできることを頑張るべきだ。

この花につまっている、村の人々の笑顔と一緒に笑いあえるように。

私は、そっと懐へ手をさしこんだ。

指先にやわらかい布の感触。

私は深呼吸をして、それを引き出した。