道端にタンポポやペンペン草なんかと一緒に生えていそうな、そんな健気な花。
でも、とても目をひく不思議な力を持っている。
確かに、うちの神社のそばでも公園でも見覚えのない花だ。
「村のそばの森の奥にね、これの花畑があるんだ。初代の姫巫女様がこの村を作りだしたとき、俺らのために贈ってくれたっていう話だよ」
「姫巫女が?」
私は目を丸くして尋ね返す。
七瀬くんは深く頷き、遠くの空に視線を流す。
「種族も能力も関係なく、これからも、皆が笑顔で助け合い、想い合い、愛し合い、あたたかな縁が結ばれますようにという願いをこめてね」
言葉がお日様のようにあたたかい。
「俺たちは、友達になりたいときも、仲直りのときも、思いの丈を伝えるときも、この花を贈るんだ」
まっ白な花が、私のちっぽけな手元で、一層やさしく煌めきだす。
「この花には、この村には、仲良くなりたいって気持ちがたくさん詰まってるんだ」


