腰にさした刀がひっきりなしになく。
赤ん坊の泣き声が絶えず聞こえる。
光をすぐ背後に感じる。
のまれてしまう。
間にあわない……!
瞼が力強く下ろされる瞬間、狭い洞窟の景色が大袈裟に揺れた。
するとすぐに鼓膜へ叩きつけられる騒がしい音。
しばらく視界は暗くなにが起こったのかなにもわからなかった。
しかし、瞼の幕がおもむろに上がる。
赤ん坊の泣き声が鳴り響く。
見えたのは白っぽく乾いた土の色。
間近に小さな雑草の根元が見える。
胸にはくるむように抱きこんだ赤ん坊の頭。
少年のはっと息をのむ声。
少年は泣き続ける赤ん坊を抱きかかえて起き上ると、向こうの世界で見ていたのとほとんど変わらない、岩肌にぽっかりと開いた闇の穴めがけて駆けだした。


