少年は大きく絶叫し、まっ黒な口を開ける洞窟に飛び込んだ。
目を凝らせども闇は深く、微かに左右を滑りゆく岩肌を見ながら少年はひた走る。
するとその時、視界が淡い白色に光り、ゴツゴツとした岩肌がくっきりと照らし出されたのだ。
耳を澄ますと遠く微かに聞こえる、姫巫女の力強く伸びやかな声。
赤ん坊が耳をさすような声で呻き泣く。
不思議にも小さな赤ん坊の胸が鼓動のようなリズムで眩く光り出す。
揺れる視界は慌てて背後を映し出し、大きく広がった。
目もくらむまっ白な光が洞窟の口を覆い尽くす。
そしてそれは、野生の獣のようにあっという間に背中まで走ってきた。
このままでは、光に食われてしまう……!
少年は赤ん坊をきつく胸に貼りつけ、全速力で地を蹴った。
凄まじい光にのまれるまいと、身を激しく振り走る。
荒々しい岩肌が体当たりしてしまいそうなほど次々に迫りくる。


