声変わりのしていないあどけない声が告げた残虐な言葉。
姫巫女も、如月という男も目を丸くして言葉をなくした。
男の子の瞳は光を持たずただまっ黒で、静かすぎるくらい座っている。
彼の後ろで、彼の温度とは真逆に村は赤々と燃えあがっている。
炎の向こうに倒れゆく人の影が見える。
「簡単な選択じゃろう。わしの寛大な心に感謝してもらいたいところじゃ」
老人は満足げに目を細めて、表情を変えない男の子の頭を撫でていた。
姫巫女は拳を握りしめる。
けれどもその時、体つきのいい如月は、姫巫女の背中へ向かって深く腰を折った。
「姫巫女様、私たちのことなんて考えないでくだ……」
途中まで聞けば、艶やかな長い黒髪が宙に広がった。
ふりかえった輝く巫女服。
怒りから目はきつくつり上がり、繊細な手ががっしりとした如月の肩をはたいて振り抜かれた。


