顔を見せないまま、ふりかえって荷車の向きを変える乱麻くん。

でも、見えてしまった。

苦しそうにひくついていた喉元が。

悲しかった。

私は隣も見ずに、刀を抱えている天くんの紅葉みたいな手を探る。

探り当てた小さな手を離さないように、しっかりと握りしめて、涙がこぼれないように天を仰ぐ。

空が、涙みたいに透明な色をして、ぼやけていた。