「凛様は涼子様によく似てお強い方だ。涼子様がとても懐かしく思い出されます」

するとふいに、お爺さんの潤んだ声がした。

紫希が私の手を大切にそっとはなして、横へと立ち退く。

お爺さんは、やわらかく私を見つめていた。

「では、凛様どうかお命だけは大切に。村をよろしくお願いいたします」

その言葉に私は慎んで頭を下げた。

続いて長老は、大きな声で檄を飛ばした。

「そして、如月紫希、尾上七瀬、猫丸乱麻に改めて命ずる」

後ろの3人が音をたてて勢いよく立ち上がる。

「姫巫女守護隊として、凛様のため誠心誠意力となれ」

「はい」

3人の声がこだました。

部屋の中に、汚れを知らないまっ白な光が満ちている。

私たちはこの時から始まるんだ。

手の平の上の鈴を結ぶ赤い縄は、かたく結ばれていた。