「今度はしばらくいられるのよね?」
背伸びする小さな足。
細い体にまとった赤茶色の地味な着物がなぜか輝きだす。
お団子にされた綺麗な髪に、健気な桃色の花を一輪飾って、そばかすのある頬が同じ色に染まっていく。
彼をやきつけようと目いっぱい開かれた瞳が宝石のように煌めいた。
あの子は誰……?
「ああ」
髪が風でまきあがり紫希の顔がむき出しになる。
優しくほぐれた口元。
あんな顔見たことない。
安心しきったような、桜みたいにやわらかな笑い顔。
息が、できなくなる……。
「よかった。嬉しいな」
はしゃいで肩を寄せる女の子。
その肩を自然に受け止める紫希。
スローモーションで重なり合うふたりのシルエット。


