男の子の小さな手から頭を出しているむき出しの一輪の花。
ゆらゆらと気恥かしげに揺れている四枚の花弁の、まっ白な花。
視界の端が滲みだす。
胸の奥がどうしようもなく熱くなる。
私は震える手で、そのか弱い花をそっとそっともらった。
私は一度瞼をギュッと閉じて、もう一回男の子と向き合った。
「こちらこそ、ううん、私の方こそ、ありがとう。本当に本当にありがとう……」
震える手でその子の頭を撫でた。
その子はまた私のために赤い顔で微笑んでくれる。
今は、足をすくませている場合じゃないだろう。
力をみなぎらせ、一気に立ち上がる。
目の前には私の方を向いている顔ばかり。
左手に持った花を大切にポケットにしまいこむ。
私はこれからの辛い時をこの人たちと乗り越えていくんだ。


