見ず知らずの私になんでここまで……?
「姫巫女様、ねえ、姫巫女様」
ふいに、左腕が重くなった。
ぼうっとしたまま左側を見下ろすと、無邪気に目を線にして、まっ白なほっぺたを幸福そうに盛り上がらせている小さな男の子がいた。
「えっ……」
私の腰ほどまでしか背のない子が、私の袖をつんと引っ張りながら、目いっぱい私を見上げている。
「来てくれてありがとう。姫巫女様に会うの、楽しみにしてたんだよ」
大きく口を開けて歯を見せて、笑顔がはじける。
「ぼく……」
私は胸がいっぱいになって声をこぼす。
男の子の前にすっとしゃがみこみ、私は情けない顔をして涙を堪える。
その子はやっと目線が同じになった私を真正面からとらえて、少し頬を赤らめる。
そうして、背中に隠していた左手をそろりと前に出したのだ。
「姫巫女様、お花、どーぞ」


