咲き乱れる笑顔の花に、私は目を見張る。
「そんなに驚くな。皆、お前に会えるこの日を心待ちにしていたのだからな」
紫希は私の斜め後ろへとはけていく。
戸惑いながらとぼとぼと歩く私はいよいよ花道の入口に立った。
お日様みたいな頬笑みが私へと降り注ぐ。
おじいさんにおばあさん、若い女の子に、まだあどけない子供。
なにひとつ人間と変わらなく見える人々。
疎らではあるものの、十数人がずらりと並んでいる。
圧倒されて足がすくむ。
するとその時、私に向かって全員が同時に頭を下げたのだった。
「姫巫女様、お越しくださり、ありがとうございます」
一斉に紡がれるあたたかな声が、心を震わせる。
人々は顔をあげ、また優しい笑顔が煌めきだす。
お礼の言葉も忘れて、呆然と立ち尽くしている私。


