「うん」
ランプの始末をした紫希が私の方を振り返って呼びかける。
私は深く頷いて、その背を追った。
砂利の転がる土の道を、4人で静かに歩みながら、私は前方を見渡した。
私はわずかに息を漏らして感嘆する。
数少ないけれどちらほらと立ち並ぶ、やわらかな茶色のかやぶき屋根。
昔話の絵本で見た、あれそのものだ。
昔、この村は烏天狗に焼かれたと聞いた。
なのに、16年の間にここまで復興させたというの……?
見えるものすべて、今の私の世界にはない素朴なものばかり。
やわらかなたくさんの緑の背景に、まるでふんわりした大きな帽子のようなかやぶきが自然に溶け込んでいる。
私はそんな光景に、静かに見惚れていた。
するとどこからか華やいだ声が、耳元を賑やかにした。
「姫巫女様、ようこそ」
その声に導かれれば、集落の入口に人々が花道を作っていた。


