あまりの眩しさに私はたまらず目を細める。
「なんて、きれいなんだろ」
くらくらするような鮮やかさに、私は声を漏らす。
少しずつ光になれた目がやっと辺りを見られるようになる。
私は張り詰めた胸にたくさんの新鮮な空気を吸い込んだ。
気持ちよく開いた瞳には、遠くまで広がる太陽の光を照りかえす草原が映る。
駆けまわりたいほどきれいな草原と風。
引っ張られるように視線をあげていけば、豊かな林と囲むようにどこまでも連なっている青い山々。
そして、頭上には私の生まれた世界となんら変わらない、つながっているんだと思わせる澄みきった空。
私はそっと腕を広げた。
風が戯れるように私の頬をくすぐって、駆けていく。
こんなにも煌めく、素朴な世界。
ここに、お母さんはいたんだ。
「凛。皆がお前の到着を待ちわびている。集落はあっちだ。行くぞ」


