真摯で、まっすぐな戦士の姿。
言葉なんていらない空気。
私は近寄る事さえはばかられた。
すると、お父さんは静かに息をするように、呼びかける。
「今日、来ると思っていたんだ。さあ、これを」
お父さんはまっ白な着物の懐から、薄紅色の包みをとりだした。
両の掌の上でころりとおさまる包み。
お父さんはその手を紫希へと差し出し、ゆっくりと頭を下げた。
「どうか、凛を、頼みます。紫希くんたちも、どうか、無事で」
私はお父さんだけを見ながら、胸を強く抑えていた。
心が揺さぶられる。
痛い。
いつもの低く穏やかな声が、しゃがれて聞こえた。
紫希はさらに深く頭を下げ、包みを頭上高くに掲げもらいうけていた。
「丁重にお預かりいたします。必ずや、無事に戻ってまいります」


