神主姿のお父さん。
いつもそんな恰好しないのに、なんで今日だけ?
まっ白な着物が眩しく光る。
お父さんはそんな私になにを言うでもなく、紫希に向かって視線を下げた。
「紫希くん、顔をあげておくれ」
彼に向かってやわらかい声をふりかけるお父さん。
紫希は顔をあげると、ピンと張った声をとどろかせる。
「ついに、この日が来ました。凛さんが決意されたことです。俺らは誠心誠意守護させて頂きます」
私は息もとめて見入る。
静かなのに、その宣言は木々をも黙らせる。
ひとしずくの清らかな水を落としたように辺りへ瞬く間に広まっていく。
3人が一斉に深々と頭を下げる。
天を向いた背中を、強い日差しが照らし出す。
神聖に清められていくよう。


