止めた足の裏で、乾いた枝が折れた。
少しずつ離れていく3人の背中を見ながら、私は枝を踏みしめ、口ごもる。
「な、なんで私の家に? 私、お父さんには会わないよ!」
私は抵抗するように近くの木にしがみつき、怯えた犬みたいに吠えかかる。
なんで今、お父さんに会わなきゃいけないんだ。
今一番会いたくない人だって、紫希は知っているはずなのに。
くるりと振り返って、切れ長の瞳で睨みつけてくる彼を、私はびくびくしながら見返す。
「烏天狗の言葉を真に受けるな! お前のお父さん、正信さんはそんな人じゃない。俺の人間界での暮らしを助けてくれたのは正信さんだ。疑うな!」
空気が震え、鳥が羽をばたつかせて逃げていく。
彼の強い物言いに私はびくりと体を揺らした。
知らない事実が急に頭へと投げ込まれて混乱する。
「お父さん、紫希のことまで知ってたの……?」


