私はそっと腕をといた。
泣きべそなのにあげた顔。
紫希がゆっくりと振り向く。
本当はこんな顔見られたくはない。
でも、紫希は煌めくビー玉みたいな目に私をやっとうつしてくれたから、涙も拭わずに私は彼を見つめ返す。
そして、不細工な顔で、情けないほど細った声にありったけの想いをのせた。
「今は、紫希だけなの……。余計な気遣いなんていらないから、ねえ、私を、鈴代凛として見つめてよぉ……」
ぼろぼろと涙が布団に落ちる。
視界が歪んで紫希がもう見えない。
私は泣きじゃくる小さな子供みたい。
しゃくりあげて体は揺れる。
息は苦しい。
私はちっぽけだ。
そのくせ、みんながキズつくのを見たくないとぬかす。
なのにその前に、私はまだ姫巫女ではなく、鈴代凛でいたいと、心がそう願うの。


