「イヤだよ! ねえ、私を見て!」
紫希の瞳が大きくなる。
壁に映る明かりは大きく揺らめいた。
「怖いけど、怖いけど、自分のために誰かがキズつくのを見るのは、イヤなの!」
私は大口を開けて叫びかける。
今も、自分のために宙に散ったみんなを思い出すと震えだしそう。
心が苦しくて、私は額を紫希の胸に擦りつけた。
優しくあたたかい。
でも、あなたは動じない。
私の声は細る。
あなたの胸からずり落ちていく。
「私はこのままではいけないの。力の使い方はわからないし……、すごく怖いけど、このままでいいとは思えないの」
「わからないならいい。使う必要はない。お前自身のことはだいたいわかったか? なにかききたいことはあるか?」
だけど、肩を手の平で包まれ、私の体ははがされる。
驚いてあげた視界には、あたたかみのない頬がうつって、私は下唇を噛み締める。


