手の中で開いた目に映る指が、小刻みに震えているほど。
「今日は、抑えつけられていた分タガが外れ、肉体が悲鳴をあげるまで能力を暴走させてしまったわけだ。体力がなくなったのはそのせいだ」
紫希の淡々とした声は響く。
私が欲しいのはそんな説明じゃないの。
私は気づいてといわんばかりに指の隙間から紫希を見つめる。
でも、紫希は眉ひとつ動かさなくて無表情。
他人みたいにされて、息がつまりそう。
なんで、優しくなったり、冷たく突き放したりするの?
「あの力のおかげで皆ケガが完治したが。もう、あの力は使うな。お前のことは俺らが守る」
紫希の唇は機械みたいに動く。
命令、決めつけ。
黒い瞳はまん中に座っているのに、私なんて見ていないみたい。
私は、今、目の前にいるのに。
顔を隠していた両手をかなぐり捨て、紫希の肩を強くつかんだ。


