まだ、お母さんの死のことをほとんど知らない。
だからなにもわからない。
でも、写真の中で、あんなにもキレイで優しい笑顔を浮かべていたお母さんだ。
私がずっとずっと憧れ続けてきたお母さん。
願ったって、もう二度と会えない大切な人。
笑われる覚えなんてありはしない。
これ以上笑うなら、私は絶対に許さない。
私は潤み始めた目を鋭く細め、彼を見上げた。
でも彼は、血の通っていなさそうな白い顔で、私を見下ろしていた。
「そこまで言うならば問おう。姫巫女が死んだ見返りはあったか? それだけの対価を半妖どもは支払ったか? お主は母に恩返しができたのか?」
まるで喉になにかがつまったみたいに言葉が出てこない。
彼は私の心をえぐり出そうと、ぶしつけに視線をつきたててくる。
私の反応をじっくりと味わうかのように。


