「そんな行為を厳格なおじい様が見過ごされるわけがない。戦火は広がり、人間にうつつを抜かした妖怪も、人も、半端者もみんな焼きだしてやったさ」
私はテーブルへと身を貼り付けた。
漆黒の羽に身を包んで笑う彼は、もう人間になんて見えない。
私はいやしいものを見るように、目を細めていた。
「なんで笑えるの? なんで、そんな残酷なことができるのよ? それにお母さんも巻き込んだっていうの?」
小刻みに震える唇が、彼に反抗する。
こんな話、まともに聞いていられる方がおかしい。
聞いているだけでも寒気が止まらない。
私は思いきり軽蔑の眼差しを突き刺した。
「ほう、先代の姫巫女と同じ、勝ち気な目をするではないか」
私はハッと息をのんだ。
彼の流れる眼差しが冷たく肌をさす。
心臓の鼓動に合わせて、胸の痣が痛みだす。
いったい、この人はお母さんをどこまで知っているのだろう。


